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コピー [雑談]

私の好きなコピー

「愛だろ、愛」
「ふつうの17歳なんか、一人もいない」
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」

好きではないけれど、印象に残っているコピー

「おじいちゃんにも、セックスを」
「転職は慎重に」
「いいクルマが好きだ。男ですから」

最近某所でコピーライターの前田知巳さんのお話を聞いたのだけれど、
前田さんのコピーで恐らく一番有名なのが、前にあげた「おじいちゃん~」だと思う。

あのコピーを見たとき、自分がまだ広告というものには興味が無かった。ただ、何気なく新聞をめくっていた時に飛び込んできた時の言葉は強烈だった。
その時まだ性に対する知識がほとんど無かった私は「何かははっきりとしないものの、見た後に残る感じの悪さ」を感じたのを今でも覚えている。

前田さんは某H報堂に入社して、直ぐに頭角を現したのではなかったという。
入社3年ほどたってもいまだ自分が納得のいくような仕事が出来ずにもやもやがたまっていた。あるとき、気分転換に本屋へ行ったときに、たまたま村上龍の「全ての男は消耗品である」という本が目に留まる。

ここで、前田さんはひらめく。本のタイトルもコピーと一緒ではないか、と。
毎月何冊もの新刊が発売されるけれど、本が売れるには一番いいのはテレビや新聞で紹介されるのがいいのだけれど、そこに紹介されない本のほうが多いわけで。そういうときに何が大事になってくるかと言うと、本のタイトルで「なんだろうこの本は」と見たときに思わせることが大事だということ。

例えば今となってはベストセラーになっている「バカの壁」だけれど、内容としては脳化社会に関する本だけれど、そういう堅苦しいタイトルをつけてしまうと、ただの専門書のような感じで、目に留まっても、「何か難しそう」と思って読もうという気にはならないかもしれない。

それまでの前田さんは、ある種「誰にも嫌われたくない病」にかかっていたそうで、無難なコピーを書いていたそうですが、それだと他のコピーとの差別化が全く出来ていないことに気がつく。

そこから、どうしたら人の目に止まるコピーがかけるか(本のタイトルにしたら人が手にとってくれるか)を考えるようになったそうです。

たとえ、人の目に留まったとしても、その人に共感してもらわないと意味がない。
そこで、コピーを見た人に考えさせる。そのために全てをいうのではなく、できるだけシンプルに。
だけど、何処となくひっかかりがあると、人は心に留める。

前田さんは最近佐藤可士和さんと仕事をする事が多いそうですが、
仕事の進め方としては、最初にクライアントの企業から色々と話を聞く。
→クライアントの良い点、悪い点をピックアップする。
→悪いところを改善するにはどうすればいいのかを徹底的に考える。

だけど、その答えはそのクライアントの中にあるわけで、外にあるわけではない。
だから、前田さんがその答えを言葉にして、それに沿って佐藤さんがデザインをする。

以前、佐藤さんの特集本を読んだ時に、デザイナーと言うよりは医者の感じでやっていう言葉があったけれど、たしかにそうだよなぁ~と思う。
医者は患者の調子を聞き取って、適切な処置を施す。

最近前田&佐藤コンビは商品開発から関わることが多いのだそうだけれど、それは何でかというと、クライアントの会社の中で、プロジェクトのリーダーがいるのだけれど、そのリーダーがプロジェクトをどのような方向で進めていくのかをはっきりと部下に伝えられていないと言う現状があるという。
そのプロジェクトはこれまでやっていないことをやるのだから(自分も似たような経験があるので分かるのですが、何もないところから作り上げるのは相当な苦労があります)リーダーが一番はっきりと見えていないといけない。そのために、リーダーが何をやりたいのかをはっきりとビジュアル化して、商品の方向性を位置づける。


「転職は慎重に」と言うコピーで有名な転職サイトの場合、実際にヒヤリングしてみると、トップの方がそのように感じているようで(本人は意識していないそうなのだけれど)それだったら、そのようにサイトを作った方が良いということで、そうしているらしい。
実際、そのサイトで転職をした人は定着率が高いらしい。慎重に会社を選んだ結果だからだろう。

業界内ではかならず競合企業がいくつかあるわけで、自分の企業と他の企業がどう違うのか、を具体的に示すことが出来なければグローバル社会は生きていけない。
そのため、言葉で先ず一本線を引いてあげて、そこにずれが生じていないかどうかで判断する。
企業のブランディングもますます大事になってくるわけだけど、改めて言葉って大事だと思うひと時でした。
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