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CM2/2 [雑談]

佐々木さんから依頼を受けた大貫さんだけれど、はじめは乗り気ではなかったという。
大貫さんといえば、日清食品のHungry?新潮文庫のYonda?キャンペーンなどの仕事を行ってきた方ですが、例えば、日清のCMを作るときに「もともと、カップラーメンなんか食わない」という思いがあり、でも腹がすいている時にカップラーメンをCMにするなら、じゃあ一番腹がすいている人は誰だ?と考えた時に原始人だろうということになり、あのCMがうまれた。
また、Yonda?では新潮社から仕事の以来を受けたときに「俺、本読まないんで」といっていったん断ったらしいのだけれど、(大貫さんが本を嫌いな理由は学生時代に本を強制的に読まされた経験があるからだそうです)じゃあ本を普段読まない人に読ませるにはどうすればいいか?を考えて、本を1冊ではなく2冊読んだらマスコットがもらえるというキャンペーンに仕上げた。

こういうことを書くと大貫さんはひねくれた人だなぁと思うかもしれないのだけれど、広告はその商品を全く知らない人に知ってもらうというとっかかりを作ることが一つの大きな部分なので、ある商品に対する「好き」と「嫌い」をピックアップして、嫌いな部分をどのように伝えたら好きになってもらえるのか?を考えることが大事なのだと思う。

そんな大貫さんが広告を作るときに大事にしていることは
「目だつこと」「違うこと」「わかること」「シズルがある」「商品が動く」
の5つだという。
シズルというのは、人間の官能を刺激して魅力を感じさせようとすることです。(例:ビールを美味しそうに飲んで、見ている人に飲みたいとおもわせる)

佐々木さんが孫さんから請けた仕事は「SoftBankのブランドを短期間で構築したい」というものだった。

佐々木さんの得意分野は「面白い」CMを作ることで、正しいCMを作るのはあまり得意ではないと思う。
サントリーBossのCMでクライアントから「レインボー」というのを前面に打ち出して欲しいということで、SMAPを出して大掛かりなことをやっては見たものの、結局あの一連のCMは何のCMなのか分からないまま終わってしまった。
今は福里真一さんが手がける宇宙人ジョーンズという「面白い」CMに戻っている。

しかし、SoftBankの場合は「携帯業界への新規参入」という大きな目的がある。それを見ている人に伝える方法は「面白い」ということよりも「正しい」という方法で伝えることを選択した結果、今や誰もが知られるに大手携帯企業になった。

ただ、SoftBankはあまりにも早く認知されすぎて、0円キャンペーンの時に大批判を受けたこともある。
この例を見ても、まだテレビCMに効果がないという結論は一概には言えない。

トヨタといえば、佐々木さんもトヨタのECOプロジェクトの広告に参加していますが、あるときトヨタの宣伝部長とのお酒の席でのやり取りで「トヨタという会社は好きか?」と聞かれて、「嫌いです」と答えたというエピソードがある。(その時は酔っていたそうですが)一緒にいたほかの人は「好きです」と答えていただけにさぞかしその場は凍りついただろうけれど、その時佐々木さんが「嫌い」と答えた理由として「トヨタは昔の父親のような感じで、俺が作ったんだから乗るのは当たり前だ、という雰囲気がある」という答えたそうです。それを聞いたトヨタの方はその意見を尊重してくれて、そこから信頼関係が生まれたそうです(ソースは下の本の巻頭対談から)

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CMを作る人は、いくら良い企画をしても、クライアントがGOサインを出さないと没になってしまうわけですが、だからといってクライアントのイエスマンだけでは、いいCMになるわけではない。クライアントの意見も受け入れながらも、初めて見た人の心を動かすものが出来ないとそれは良いCMとはいえない。

トヨタが誰にCMを依頼するのかは分かりませんが、恐らく佐々木さんがあの痛いニュースの記事を見たなら、自ら志願してつくりそうな気がします。
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